私の大好きな時代小説、高田郁のみをつくし料理帖シリーズ。
主人公の澪はうら若き女料理人。
つる屋という小さな小料理屋を切り盛りしながら
人生、山あり谷ありの色んな困難に立ち向かうお話です。
滋味深い料理の描写は心をほわっと一瞬で熱くさせるものがあり、
忙しい現代で忘れているものを呼び覚ましてくれるのです。
澪は混ぜご飯や炊き込みご飯、おにぎりにおかゆなど
お米にひと工夫して献立を組み立てます。
現代でこそ美味しい白米もいったて普通で
家庭料理でさえ多国籍な料理が並ぶ日本の食卓ですが
江戸時代の限られた食材や調味料の中で、
味つきご飯は料理屋ならではの格別なご馳走だったのでは
ないかと思われます。
秋の初めだけ並ぶ栗。
澪ならこの時期を絶対逃すことなく栗ご飯を作るだろうと思ったら
手間でも私も栗と格闘したくなりました。
恐らく家族には(アピールしない限り)栗剥きの手間は伝わらない!
つる屋のお客程の感動があれば報われるのですが
「栗ご飯。ふ~ん。」みたいなリアクションなんだろうなぁ。
それでもやっぱり一年に一回は澪の様に栗ご飯の日を大事にしようと思います。
【材料】
栗 20粒
米 3合(1/2合をもち米にしてもいい)
だし昆布 10㎝位
水 適量
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
塩 小さじ1と1/2
【作り方】
①ボウルに栗を入れ60度くらいのお湯を注ぎそのまま20分程置いておく。
栗の底を薄くそぎ落とし、切り口から包丁で皮をひっかけながら鬼皮をむいていく。
②耐熱皿に栗の切り口を下にして5個づつ位並べ電子レンジ(600W)70~80秒加熱する。
栗が熱い内に渋皮を剥いていく。壊れやすいので慎重に。水にさらす。
※栗が崩れる様なら加熱時間を短くするといい。
③米は研いでザルに上げておく。
④土鍋に昆布を入れ計量カップに酒、みりん、塩を加え水を注いで540㏄にして注ぐ。
⑤米を土鍋に入れ、栗の水気をよく切って散らし蓋をしてそのまま15分程置く。
⑥土鍋に火を付ける。沸騰するまで7~8分、中強火で加熱する。(鍋の蓋の隙間から泡が少し出たら弱火にするタイミング)弱火にして10分加熱する。火を止めて5分蒸らす。